Winchester

Winchester, Guildhall (2000年1月23日撮影)

Winchesterは、イギリスの南部Hampsher州の中心近くにあります。 街の中心から、東のほうに行ったところに、上の写真のようなギルドホールがあります。 1873年に完成したギルドホールは、今はコンベンションセンターとなっており、訪れた日には、アンティークフェアをやっていました。 WinchesterのInformation Centerも、この建物の中にあります。 ギルドホールの右手前には、アルフレッド大王の銅像が建っています。

Cirencesterのところでも書きましたが、イギリスの中で、なんとかCesterという地名は、元々ローマ帝国の軍事基地が置かれた場所についている名前です。 Winchesterも、もともとローマ帝国が築いた軍事都市でしたが、410年頃にローマ軍が衰退し、Winchesterからも撤退します。 そのあとイギリスには、アングロサクソン人がケルト人を征服して住み着きます。 しかし、780年頃、Winchesterを始めイギリス全土にVikingが押し寄せ、暗黒の時代が訪れます。 この時Vikingからイギリスを守り、Wessexの首都をこの場所に造り上げたのが、アルフレッド大王です。

Winchester, The Pentice (2000年1月23日撮影)

アルフレッド大王は、この時に7つの王国の形を成していたイングランド統一のきっかけを作り、10世紀の後半にイングランドとしての国家が完成したという事です。

まさに、アルフレッド大王はWinchesterのヒーローであり、イングランド統一の父というところでしょう。

Winchesterは、イングランドの首都がロンドンに移るまえは、このように首都であったところであり、イングランドそのものの生い立ちに関わる歴史の古い街です。

左の写真は、WinchesterのHigh Streetにある、The Penticeと呼ばれる一角です。

16世紀に2階から上の部分を増築したものですが、元々の1階の部分は、そのままの形で残ったため、2階の下がちょうどアーケードのようになったものです。 元々あった1階の部分は、13世紀頃の建物で造幣局となっていたようです。

Winchester, River Itchen (2000年1月23日撮影)

Winchesterの街の東側をItchen川が流れています。 今は、川幅10mくらいですが昔は2倍くらいあったようです。 そのためでしょうか、水の量がいつでも多く、ごうごうと音を立てて流れています。

Winchester, Priory Gate & Cheyney Court (2000年1月23日撮影)

上の写真は、街中の大聖堂から裏に回ったところで、チューダー調の建物はCheyney Courtと呼ばれるものです。 この建物は、16世紀後半に建てられたもので、教会の教主が領土内での法廷を開いた場所のようです。 その右に見える石造りのゲートには、とても古い木でできた門扉があり、Priory GateまたはPrior's Gateと呼ばれています。 これも16世紀に作られたものです。

写真は真冬ですので、何の華やかさもありませんが、Gateに巻き付いている「つる」は藤で、5月にはピンク色の花がGateが見えないくらいに咲いていました。

Priory Gateを出ると、すぐ左側にKing's Gateがあります。 このゲートは、同じように石でできた建造物ですが、このゲートの中に小さな画廊がありました。

このゲートを抜けたところには、Kingsgate StreetとCannon Streetという通りがあります。

右の写真は、この通りの角にある、Wykeham Armという名前の有名なパブです。 内部は、Winchester大学の机や調度品を使ったアンティークでできているそうです。 このため大学の学生や卒業生の思い出の場所といったところでしょう。

この辺りを描いた絵もたくさんあり、Kings Gateの中の画廊に、このパブを描いた絵が売られていました。

Pub, Wykeham Arms (2000年1月23日撮影)

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