Rye

Rye (2000年6月10日撮影)

Ryeは、イギリスの南海岸に近いところにある「赤い宝石」とも呼ばれる小さな街です。

街が小高い丘の上にあり、その丘を取り囲むようにRother川や水路が流れています。

 

Ypres Towerから海を見る (2000年6月10日撮影)

街の丘の頂上に、St. Mary's Churchがあり、この教会の上にYpres Towerという塔が立っています。

もともとは14世紀に作られた軍事目的の見張りのための塔でしたが、今は観光のために登って回りを見渡すことができます。 この塔に登るためには、とても細い廊下や、はしごを上らなくてはならず、失礼ながら体型の問題から、途中であきらめる人もいるようです。 私は、・・・・何とかたどり着くことができました・・・・

もともとRyeは海岸にあって漁業と造船で開けた港町でした。

左の写真はYpres Towerの上から南の方向の海岸を見たものですが、相当海から距離があります。 

こんなに海から遠いのに何故港町だったのか不思議ですが、13世紀ころには、まだ海に近かったようですが、15世紀には急速に干潟化し、海岸線が遠ざかっていったようです。 遠くに沼も見えますが当時の名残が残っているものです。

しかし、今でもRother川を通じて海まで出れるようになっており、漁船やヨットが川に停泊していました。

Ryeは、とても美しい、小さな街ですが、17世紀後半のフランス革命を逃れて、たくさんの難民がこの地方に、銃器、武器とともに流れ込み、難民は当時の輸出入税を逃れるために、密輸と犯罪が多発しました。

 

St. Mary's Church, Rye (2000年6月10日撮影)

 

Ryeの街角 (2000年6月10日撮影)

当時の「フクロウ族」と呼ばれる密輸グループは、夜になるとRyeの街で、これらの取引を行っていたようです。

当時の「フクロウ族」が使っていた定宿は、いまは普通のホテルになっています。

1781年には、Sussexの新聞に密輸者摘発の押収品販売の広告が出され、なんと2352ポンド(1.1トン)の紅茶、4333ポンド(2トン)のウールがあったそうです。 このように、大量の密輸取引がこの街で行われていたそうです。

今は、もちろんそのような暗躍者たちの姿はどこにも無く、平和そのものの街です。

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