湖水地方 Windermere (1998年4月11日撮影) 湖水地方は、イギリスの北のほうにあります。 ピーターラビットが、今にもそこからひょっこりと顔を出しそうな緑の多い、とても静かなところです。 いくつかの湖がありますが、そのどれもが細長い形のおそらく氷河が削ったと思われる谷にできた湖です。 英語ではLake Districtといい、直訳すると、湖の地方、湖地帯、となるのでしょうが、そのどれもが的確な雰囲気を持っていません。 これを「湖水地方」と日本語訳した人には、頭が下がるほど、この言葉に合った自然の豊富な美しい所です。 湖水地方に行ったのは、4月のイースターですから、まだまだ寒かったです。 Hill Top (1998年4月11日撮影) 数ある湖の中でも一番大きいのが、ウィンダミア湖、そして一番大きな街が、その湖畔の街、ウィンダミアからボウネスにかけての一帯です。 ウィンダミアのちょうど湖の反対側に、ヒルトップという場所があります。 ここは、ピーターラビットの作者、ベアトリクス ポター女史の住んでいた所で、今でも家が残っています。 また、彼女の持っていた広大な土地は、すべて後世に、そのままの形で残すことを約束しNational Trustに託しました。 ポターの住んでいた家もNational Trustが管理しており、中を見ることができます。 ボウネスの街の中には、ピーターラビットの博物館、The World of Beatrix Potterがあります。 この地方は、他にもグラスミア湖のすぐ近くに詩人ワーズワースの住んだ家もあり、文学の好きな人には、まわりの雰囲気も手伝って最高の場所でしょう。 | |
ウィンダミア湖のすぐ東のほうに、ケンダルという街があります。 街全体が石でできた感じの、古い街でした。 細い路地を入ると、まさに時代が、中世に変わってしまったかのような錯覚に陥ります。 ケンダルの街の外れには小高い丘があり、この上には、崩れかけた城が残っていました。 この石の街を見ていて、何百年も前からずっとこの形、この色、この景色を保ってきたのは、地震の無い国の特長でしょうが、それだけではなく、National Trustに代表される、イギリス人が持ち続けている「未来に我々が見たり触ったりできる資産を残そう」という気持ちの賜物でしょう。 そう思って街を見ると感慨もひとしおです。 |
湖水地方の北のほうに行くと、このケンダルとは、また違った感じの石の街に出くわします。 この街は、ケズィックといい、ダーウェント湖のすぐ北にあります。 この街が、なぜケンダルと違うかというと、この地方独特のLakeland Stoneという緑色の石でできた建物ばかりだからです。 深い緑色をした、この石でできた家、建物はとてもこの地方にマッチしていてきれいでした。 |
Stone Circle (1998年4月11日撮影) | また、ケズィックのすぐ街外れにStone Circleという場所があります。 ここは、丘の上に丸く大きな石がならべられており、ソールズベリーのストーンヘンジと同じような所です。 誰が、何のために造り、何のために使われたのか、タイムマシンに乗る以外解き明かす方法はありませんが、不思議なところです。 |
右の写真は、ケズィックの近くにあるマナーハウス(荘園)を見学したときのものです。 4月といっても、イギリスの特に、この北部はとても寒いです。 遠くにいるのは羊です。 この羊飼いの少年のような写真は、私が撮ったものですが、このおどけた表情が、のどかな雰囲気に合っている、とても好きなスナップです。 | 羊飼いの少年A(1998年4月11日撮影) |
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